ふとんの石堂/ブログ

ゆうさんの独り言(縮みの夏ふとん)



お客様持込みの古い生地だが、久ぶりに縮みの夏ふとんの綿入れをした。
昭和40年ころから平成にかけての婚礼ふとんには、夏ふとんの側生地として必ずセットで付いていたし、普段用としても夏の肌ふとんの定番だった。
麻や片麻(縦糸ポリエステル横糸木綿、麻)の縮みは、大きな凹凸があることで体に密着しないとか、強撚糸の糸を使ってシャリっとした風合いにする、見た目にも涼しげで 昔からの知恵で夏はひんやりする。
私も夏には麻のパジャマを使っているけど、秋になると寒く感じるくらい放熱性が良いのが麻だ。
今現在、縮みの夏ふとんの生地は数年前から製造してない。
需要が減少し製造しなくなることは残念だがどうしようもない。
また、日本の貴重な技術がなくなった。

夏ふとんの中綿は綿100%をいれる。
繊維が細くて長いしなやかなメキシコ綿の純綿のシートを作ることから始まる。
薄い夏ふとんを作るには薄い綿のシートが必要だ。
実は、純綿で綿のシートを薄く作ることはとても難しく、柔らかすぎてふわふわ広がり均等なシートの形にするのは至難の業だ。
勿論時間も掛る。
しかし、良質の純綿での綿入れは、いいものが出来る序奏曲を聴くようで楽しくウキウキする。

通常のふとんわたで夏ふとんを作ると1シートを縦横交互に4層重ねて1.5kgになるが、私が作るうすい純綿のシートは4層で980グラムで仕上げることが出来る。
4層があれば、綿が薄くても切れにくくなる。

極薄のわたのシートで作る肌ふとんは、なかなか出来そうで出来ない、ありそうだないふとんだと思う。

今日も私の思いを形にしてくれる相棒の機械に感謝しないとね。

 

この夏ふとんは使えばとても具合いいと思う。

 

 

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